知育グッズや早期教育といった言葉が多く聞こえてくる近年。3〜6歳ごろになると「うちの子も習いごとを考えようかな」と思う親御さんも多いのではないでしょうか。
一児の母&ピアノ講師を務める立場から、さまざまな書籍やメディアから知識を溜めた結論をお伝えします。
習いごとはしなくてもいい
教える立場ながらこんなことを言ってしまうと驚かれるかもしれませんが、わたしは「なにか習いごとをさせなくちゃ」なんて焦る必要はないと考えています。
わたしたちお稽古ごとの講師(今回は主にピアノのレッスン)は、子どもたちとは週に何度か顔を合わせ、決められた時間の中で関わるしかありません。
結局は家や学校で基本的な生活リズムの中でたくさん遊び、親子の信頼関係を築く時間をもつことの方が大切です。
だから極端な話。漠然とした理由で子どものため!と何かを課すくらいなら、大人こそが親子の時間を充実させる方法やコツを学んでみてください。
子どものいまを愛と知恵でいっぱいに満たすことがはるかにのひとりの人間の未来を広くするのではないでしょうか。
日本でモンテッソーリ教育の第一人者である相良敦子さんは著書のなかでこう記されています。
子どもが内面から良い方向にかわるのは「自分の意志で始めたこと」を「持続し」行い、途中で投げ出さず「全力をつくし乗りこえて」 「わかった・できた」と実感を味わったとき。
その時に内面から生きる喜びや自尊感情が湧くのです。
相良敦子著/「親子が輝くモンテッソーリのメッセージ」より
自然な成長過程のなかで、興味を引くものが現れ「学びたい」と感じたとき。
それが習いごとを検討する最も良いタイミングです。
習いごとのメリット
お稽古ごとをはじめるタイミングやきっかけというのは人それぞれです。
- 得意なことを身につけたい
- 体力をつけたい
- 友人を作りたい
- 将来のために
- 豊かな心に育てたい
など親から子への願いもありますよね。
普段では身につけることのできない知識や技術を専門家に教えてもらい、本人の自信や自己肯定感も増幅するでしょう。
けれど習い事によって親子の関係がより良くなること。これが最高のプラスαとなるメリットです。
習い事を始めさせたからといって「自分で決めたんだから、あとはひとりでがんばりなさい」なんて。どうかどうか言わないでくださいね。
子どもはいつだってお母さんやお父さんが大好きなので、新しく学んだことを報告したくてウズウズしているはずですよ。
親ができることとは
習いごとデビューを考える場合
最も大切なのは、子どもじっと見守り観察することだと思います。
子どもにとって遊びとは成長するための大事な栄養素です。
誰に教えてもらったわけでもなく自然に考え出した遊びで、さまざまな秩序を勝手に学んでいくようにできているそうです。
夢中になった姿から発せられる「もっとやってみたい」に敏感なり、学びの環境を用意するときっと喜んで知識を受け入れてくれるはずです。
すでに習いごとはじめている場合
ぜひよく話を聞いてあげることをおすすめします。
子どもたちは最後まで話を聞いてもらうという行為に幸せを感じるようにできています。
これはコーチングではアクノリッジ(承認)といい、子どもの存在自体を認める行為です。
まずは絶対的味方でいるのだと感じてもらうこと。それが大きな愛をたっぷり子どもたちへと伝えるひとつの手段です。
わたしの教室では、その日のレッスンの記録をなるべくつけるようにしています。
課題もできるだけわかりやすく箇条書きなどにしているので、ノートや楽譜に書かれたキーワードを元に「これはどういうことだった?」と振り返りの会話をしていただきたいです。
本人にとっては思い出して話すことでより理解が深まりますし、親が聞いてくれるというだけで「自分の話を聞いてくれた」「大切にしてもらってる」とじんわりと実感する機会になるでしょう。
更に次への目標や継続のサポートができるとますます子どもたちは成長の速度をあげていくことと思います。
バレエを始めた娘
幼少期早くから習いごとをするのが悪いということを言いたいのではありません。
実際わたしの娘も習いごとをはじめました。
娘はバレエのアニメ映画を観たところ。よく行くショッピングモールのチラシとテレビのなかで踊る女の子がバチッと一致した様子で、唐突に自ら「バレエをやってみたい」と言いました。
習いごとは検討していなかったわたしは、しばらく様子を見ましたが熱は冷めることはありませんでした。
本人の熱意や身体を動かすことへのメリット。また信頼できる先生とのご縁を受けて入会することになり、その際には親であるわたしも娘と一緒に習うつもりでいるということを決意しました。
出された課題を一緒になって練習するのですが、ストレッチなんかは子どものほうが何倍も柔らかかったりして「ママよりできる」と笑われています。親子で楽しみながら練習に取り組む。
これからどんな習いごとをしたとしてもそのスタンスは大切にしていきたいと思うのです。
まとめ
親は将来のためだと未来を見据えるけれど、子どもの目線はいつも現在を見ています。
習いごとはあくまでも新しい文化との出会い。
遊びの幅を広げるためのものであるという認識をもつことが、いまを全力で成長する子どもたちにとっての喜びにつながるのではないでしょうか。
ぜひ習いごとの先生方から教えてもらうことを取り入れて遊びに変えてみてください。
そしてその遊びを膨らます覚悟をもって、ぜひ新しい世界への扉を叩いていただきたいと思います。
次回投稿テーマは【練習しなさいと怒っていませんか?】です。
よろしければまたみにきてください♩
あとがき
ピアノを教えている立場ながら、今回子育てについての記事を書きました。
さまざまな育児方針があることは承知していますが、教える側から見ていてもご家庭でこんな風に親御さんに接してもらっている生徒たちはやはり技術的にも伸びていくのです。
子どもたちを上達させる要はご家族の皆さんでもあるということが伝わっていたらと思います。
このコラムは本やメディアからたくさんメモしていた言葉をまとめています。
そのなかで読んでよかった!と思える本にたくさん出会えているので「もっと深く知りたいな」といった方々へできるかぎり参考図書をご紹介したいと思います。
今回、特に参考になったのはこの一冊。
小児科医・児童精神神経科医・臨床心理士・乳幼児教育学・発達心理学者など…子どもを取り巻く多角的な目線から習いごとについての見解が紹介されています。
知らない分野の方からのさまざまな意見は「なるほど〜」や「別分野の本と同じこと言っている!!」と発見があったり、わたしにとって興味深く面白いものでした。
よろしければぜひ読んでみてくださいね!
たくさんの本を読んで得た知識を、惜しげも無くこうやってみんなに解放してくれるりえちゃんを本当尊敬する!実はつい最近はじめての習い事に通い始めたところで、ずっとやりたいと言ってたことだからさせてあげたんだけど、一緒に楽しむことを頑張ろうって思ったよ♡とってもためになるコラムすぎる♡
kahoちゃん
嬉しいコメントありがとうございます(;o;)♡
子どものワクワクを共有して、ますます仲良し親子になること間違いない!これからも楽しんでね♡